活動報告

朝鮮高校にも差別なく高校無償化を求める7・24集会アピール

カテゴリー: 活動報告

2011年7月24日

7・24集会に集まった私たちは,立場・思想の違いを超えて,朝鮮高校生に差別なく「高校無償化」が即時適用されることを求めます。2010年4月に施行された「高校無償化法」の適用から,朝鮮高校だけが排除されて1年以上が経過してしまいました。この間,朝鮮高校の生徒・父母・教師たちと日本人が共に街頭に立ち,署名を集め,文部科学省に抗議の声を届ける活動を行ってきました。全国から寄せられた抗議の声と,専門家による検討会議の結論を受け,政府・文部科学省は,不十分ながら「審査」によって支給を判断するという見解を示し,朝鮮高校への「無償化」適用に向けて動き始めました。政府・文部科学省が公表した「審査」の方針は「外交上の配慮などによって判断すべきものではなく,教育上の観点から客観的に判断すべきものである」であり,「教育上の観点から」判断する以上,朝鮮高校が「高校無償化」の適用となる上で障害となるものは何もないはずでした。ところが,昨年11月におきた朝鮮半島における軍事衝突を理由に,まさに「教育上の観点」以外の政治的理由によって,「審査」は不当にも停止されてしまいました。だれもが平等に保障されるべき教育を受ける権利が,またもや政治的な判断によって侵害されてしまったのです。それは朝鮮高校の生徒たちの心を二重に傷つける行為でした。当時3年生であった生徒たちは,「高校無償化」の適用を受けることなく卒業を迎えてしまいました。その無念さを私たちは忘れません。年度が変りましたが,この不当な理由で停止された「審査」は即刻再開されなければなりません。そして「高校無償化」は遡って適用されなければなりません。

日本政府の朝鮮高校生たちに対する不当な仕打ち,教育を受ける権利への侵害,明白な差別を,私たちは黙って見過ごすことはできません。政府の姿勢は,地方自治体による補助金の打ち切りなど,差別を助長さえしているのです。今,勇気ある朝鮮高校の生徒たちが裁判に訴えることを決意しています。法廷において,生徒たちの熱い思いが語られることでしょう。また,憲法,国際人権法,歴史,さまざまな観点から日本政府の不当性が立証されるでしょう。

しかし,この問題の本当の原告であり,また被告であるのは,日本政府の差別的な政策を支えている日本社会であり,日本人ひとりひとりです。生徒たちをたたかいの前線にさらさなければならないことを,日本社会は恥じなければなりません。ここに集まった日本人は朝鮮高校の生徒たちを守り,共にたたかうことを決意します。しかし残念ながらその力はまだまだ弱い。もっと広範囲な支援・共闘の広がりがなくて,守り抜くこと,たたかい抜くことができるでしょうか。運動の輪をさらに大きく広げていく決意をこの場で新たにします。

社会の関心は,東日本大震災からの復興と,原発事故のゆくえへと向いています。この危機的状況において,日本の社会と政治の闇もまたボロボロとさらけ出されています。今,私たちが求め創り出したいのは,すべての人の命が大切にされ,人権が守られ,若者が希望を持てるあたりまえの社会です。その意味で,朝鮮学校で学ぶ一人の若者の教育を受ける権利が侵害され続けていることは,震災や原発の問題に比べて決して小さい問題ではありません。私たちは胸を張って,声を大きくして主張します。朝鮮高校生に差別なく「高校無償化」を即時適用せよと。

最後の最後まで,粘り強くたたかっていきましょう。

朝鮮高校にも差別なく高校無償化を求める7・24集会 参加者一同

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