活動報告

第2回口頭弁論のミニ学習会ご報告

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第二回口頭弁論のミニ学習会について

7月28日、無償化裁判-第二回口頭弁論の傍聴漏れの方の為の在日本朝鮮留学生同盟(日本の大学・専門学校に通う在日3、4世の集まり)によるミニ学習会がありました。第二回口頭弁論は2時からでしたが、傍聴に漏れてしまった方は先に裁判報告会が行われるアイリス愛知の会場に集まり、そこで2時20分からミニ学習会がありました。

まず、留学生同盟の東海本部委員長による無償化ネットワーク愛知の簡単な活動報告の後、映画「朝鮮の子」が上映されました。

映画「朝鮮の子」とは、当時の生徒の作文を元に1954年に作られた東京の枝川朝鮮学校(現在の東京第二初級学校)を舞台とした映画で、当時の朝鮮学校や生徒達の貴重な映像が使われている映画です。朝鮮学校の歴史的な生い立ち、そして当時行われた朝鮮学校弾圧や、それに対する抵抗の運動の歴史を視覚的に感じる事ができ、この無償化裁判を原点に立ち戻って改めて捉え直す事ができるような、そんな映画でした。

映画は30分で終わり、その後、一年前に愛知朝鮮高校を卒業し、現在留学生同盟で活動している学生2人による、自分の無償化裁判に対する意識、想いに関してお話がありました。

一人目の学生からは、在日朝鮮人にとって朝鮮学校とはどういうものなのかということや、裁判に対しての想いについて話がありました。以下、その時の発言です。

「僕が愛知朝鮮中高級学校を卒業したのが一年前になります。

在日本朝鮮留学生同盟という在日朝鮮人の大学生の集まりがあるのですが、朝鮮学校から離れ、留学生同盟として活動して改めてこの問題と関わっていく中で、自分にとって朝鮮学校とは何かという事を考える機会が多くありました。

朝鮮学校が在日朝鮮人のための民族教育の場であるというのは勿論ですが、それ以上に自分にとって大きく結びつき、自分の生き方と関わってくるものが朝鮮学校にはあります。

「自分にとって朝鮮学校とは?」、そう考えた時に思うのは朝鮮学校とは自分自身を肯定してくれる場であるという事です。僕は「朝鮮人としての誇り」というものを持っているつもりでいます。

それは、朝鮮人として生きることが厳しい情勢の中、朝鮮学校に通わせてくれた両親を誇る気持ちであり、朝鮮学校で学校生活を共にした友人達を誇る気持ちであり、朝鮮学校を守るために難しい環境の中、教師を続ける先生達を誇る気持ちであり、朝鮮人として接し僕を支えてくれた在日同胞を誇る気持ちです。こんなにも誇るべき在日朝鮮人がいてその中で育ち生きてきたということが、僕に「朝鮮人」という矜持、誇りを持たせてくれるのです。そして、その「朝鮮人としての誇り」を教えてくれるのが、朝鮮学校なのです。

僕はこれまでの人生で、他の誰かであったり、他の人生が良かったと考えたことは一度もありません。それは朝鮮学校が朝鮮人として生きることを肯定してくれるからであり、自分の人生観や生き方、人生を肯定してくれるからです。

当然ですが、朝鮮学校の生徒たちが、特別、純粋で真っ直ぐで素晴らしい子達の集まりというわけではないですし、性格や価値観も多様です。素行の悪い子や浮いてしまう子だっているし、清廉潔白な生徒達の集まりでも当然ありませんし、僕自身も当時は、当然のように遅刻を繰り返していて、授業中の態度で先生に怒られた事も何度もありましたし、善良な生徒だったとはとても言い難いです。

それでも僕が胸をはって朝鮮学校を誇る事ができるのは、そんな多様な背景や性格を持つ、日本で生まれ育った在日3世、4世の生徒達に、朝鮮人として生きる事、朝鮮人である自分を否定することのない生き方を示してくれるのが朝鮮学校だからです。

原則論で言えば、仮に朝鮮学校の生徒がどんなに素行の悪い生徒であったとしても、無償化は適用されなければいけないし、別に在校生にとって朝鮮学校が素晴らしい学校だろうと、そうでなかろうと無償化除外は決して許されるものではありません。

しかし、それでも僕が言いたいのは在校生にとって、そして在日朝鮮人にとって、朝鮮学校とは自身と切り離す事ができない根幹となっているものだということです。

僕は卒業生としての責任を果たすためにも、原告達が裁判で戦う中で、この問題に対する僕の不作為があってはいけないという思いでこれまでこの問題と関わってきました。裁判というのは何年も続くので、かなりの体力が必要となってきますし、今後も多くの支えがなければ続けていくことはとても大変だと思います。

 もし仮に、この裁判の関心が薄まり、世間が忘れ、僕達が日々の生活に埋没していったとしても、朝鮮学校のために奮い立った原告達は戦い続けるし、無償化除外の不当性を真っ向から問う裁判は続いて行くでしょう。そうであるからには、その原告達、そして裁判を支える運動が絶対に弱まってはいけませんし、長いスパンで広くこの問題意識を共有していかなければいけないと思います。裁判は長く続きますが、今後も多くの人と共にこの裁判を支えて行きたいと思います。」

 二人目の学生からは、愛知朝鮮高校在学中からやってきた街頭宣伝や署名活動で感じてた想いについて話がありました。以下、その時の発言です。

「無償化制度が適用される、されないという話が何回も出てきて、適用されないという状態が続く中で署名活動を続ける内に、学生の中でも諦めムード、脱力感を持つ子も中にはいました。それでも皆やめずに街頭宣伝や署名活動を続けてきたのは、自分たちを支えてくれる多くの支援があったからです。署名活動をしていて私が特に嬉しく感じた事は、通行人に署名をもらっている時に教師をしている人が、「自分の生徒にも署名を書いてもらうから署名用紙をください」と言われた事です。何が嬉しかったかというと、「〝一緒に〝頑張ろう」という気持ちでした。「頑張ってね」の言葉よりも「〝一緒に〝頑張ろう」という気持ちが本当に励みになりました。この問題は、生徒や学校の力だけで解決できる事ではありません。多くの人と共に解決していかなければいけない事です、これからも共に頑張りましょう!」

学生の話の後、学習会は終わりその後、裁判報告会へと移りました。朝鮮学校の原点を考え、卒業生の話を通し、改めてこの問題の根深さ、そして広範で長期的な裁判に対するアクションの必要性が共有される様なミニ学習会となりました。