活動報告

第3回裁判傍聴記「朝高生のすべてのみなさんが『原告』のように!」

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朝高生のすべてのみなさんが「原告」のように!   静岡朝鮮学校・友の会  山河 進

 

3月24日に開催された『愛知無償化訴訟総決起集会』には参加したものの、肝心な裁判への参加は初めてでした。

実際に足を運んでみて感じたのは、まずもって在日同胞の皆さんの結束力の強さです。当日の傍聴参加者は160名以上。この日は愛知朝鮮高校の生徒が参加を予定していましたが、学校の授業のため傍聴券発給に間に合わない子どもたちのために、オモニたちが先に来てチケットを確保していたのです。静岡の記録係になっていた私は、運悪くハズレて途方に暮れていましたが、その券をいただいたお蔭で何とか法廷に入ることができました。感謝、感謝です。

次に感じたのは、高校生たちの真剣さです。法廷の傍聴席は約90で、その3分の1(約30名)を高校生たちが占めていました。法廷で誰かが話すと、60の真剣な眼差しが彼に向かいます。また、誰かが話すとその眼差したちが別の彼に向かいます。法廷でのやりとりも、勢い張り詰めたものになっていました。

この日は原告番号3番の朝高卒業生の陳述がありましたが、30人の傍聴生徒たちは、陳述する先輩の心を心として何とも真剣な眼差しで裁判長に訴えかけていました。先輩が「無償化を外された時には無念な想いが込み上げてきました」と言うと、うなずいたり、涙ぐんだりしながら…。先輩が「『でも、屈してはいけない!』と思いました。」と言うと、それぞれまなじりを決しながら……。

彼ら在校生徒たちもまた、原告となった卒業生同様「被害者」であり、まさに「原告たち」なのです。在日の先輩たちが営々と守り育てて来たハッキョを今度は自分たちが闘って守らなければならない、そういう意気込みと決意によって彼らは結ばれていました。そうした強い思いが生徒たちの眼差しの真剣さによく表れていたと思います。これでは、裁判長もおろそかに聞き流す訳にはゆかないでしょう。そうして、先輩の陳述が終わると、大きな拍手が沸きおこりました。

裁判では原告陳述の後、熊谷弁護士が民主党政権発足以来の高校無償化制度のはじまりから、安倍政権による朝鮮高校の無償化除外に至るまでの経緯について、とても分かりやすく説明してくれました。それらを通して、朝鮮高校の無償化延期と除外が、教育とは全く関係のない政治上・外交(安全保障)上の理由によって行われたものであることを立証してくれました。また、裁判のあとのアイリス愛知での報告集会では、弁護団事務局長の裵明玉弁護士が、日本政府による一連の措置を朝鮮高校生徒への「制裁」と位置づけ、これが憲法の保障する「平等権」「学習権」「人格権」を侵害するものであることを裁判において訴えてゆく旨、説明してくれました。お二人のお話は実に明快なもので、愛知のこの裁判は本当に良い弁護士さんたちに恵まれているなあというのが3つ目の感想でした。

裁判には、各地から様々な団体・個人が駆けつけていましたが、報告集会でそれらの交流の時間が持てたのも大きな収穫でした。私たち「静岡朝鮮学校・友の会」からは5名が参加しました。静岡は愛知朝鮮高校の学区です。静岡朝鮮学校の中級を卒業して高校に進学する生徒は愛知朝鮮高校にお世話になります。ですから、決して人ごとではありません。そんな間柄ですので、報告集会でもちょっとお話させていただきましたが、この場をお借りして、改めて私たちの会の紹介をさせていただきます。

「静岡朝鮮学校・友の会」は“子どもたちの笑顔を絶やさない!”という合言葉のもと、昨年の10月に発足したまだ若い会です。その発端は2010年の「韓国強制併合100年・静岡共同行動」の活動ですが、この活動を経て、何か自分たちにできることはないかと考えた時に出会ったのが地元静岡の朝鮮学校でした。スタッフの念頭には、民主党政権当時の朝鮮学校無償化延期問題があったと思います。爾来、子どもたちと友だちになりたい、子どもを取りまく在日同胞の皆さんと友だちになりたい…、そういう気持ちで交流を重ねて1年が経ちました。来年の秋には学校の50周年記念行事を控えており、現在、学校は新校舎を建設中です。50周年に向けてさらに多くの会員を獲得し、より広範な活動ができる会にしたいと思っています。

10月6日の友の会1周年記念総会には、弁護団事務局長裵明玉さんをお迎えし、「在日朝鮮人として生きること、そして無償化裁判…日本人とともに闘うことの意味…」という演題の記念講演をしていただきました。弁護士として社会の中で「小さく」されている人たちの声を受け止め、その心に寄り添う活動をされるまでの苦難に満ちた人生をつぶさに語りながら、この裁判にかける決意を述べてくださったそのお話は皆の心を強く打ちました。席上、会員たちは、現今の排外主義・差別主義を克服するためにも、この裁判に勝利しようと誓い合いました。次の裁判にはより多くの仲間と共に駆けつけたいと思っています。共に頑張りましょう!